2010年2月6日

d0016019_1375465.jpg

去年の11月に沖縄県立博物館・美術館で行われた「踊りに行くぜ!」に続いて二度目のコンテンポラリーダンス鑑賞。正直、前回は全く意味不明。出演者によるアフタートークを聞いてフムフムとは思ったが、???をふわふわさせながらとりあえず置いといた。わからなくてもいいや、そもそも解ろうとするものではないのだ、ということにして。
そして今回。演出の近藤氏がギターを抱えてポロロンしながら前説。飄々とした佇まいによく通る声。それだけでものすごいオーラを感じる。軽い説明の中で内容については特に「意味はない」という単語が出た。そうか、それで良かったんだなと身構えることなく肩の力を抜いて観ることができた。トリプルビル=3本立てのはじまり。

1本目:ドビュッシーの音楽に乗せて「牧神の午後への前奏曲」。舞台に置かれた2枚の敷物と、吊るされたロープで作り上げられる空間と時間。ふたりの男性舞踏家がお互いのテリトリーを意識させながら身体のあり方を模索する。台詞は無く、生身の身体がリアルに活動していることを伝える乱れた吐息がすぐ近くまで届く。ひとつの物語の巻き戻しを観ているような不思議な時間感覚。はっきりと理解はできません。でも確かに感じるものはありました。

2本目:「dump squib」牧草地と牛たちのとある昼下がり。演出の近藤氏の言葉の通り、絵本の世界の実写版、それに生音付きで。牧草地にあるのは牛たちがなかなか越えられないまあるい柵。領域の内と外で起こる牛たちの無駄骨とそこから生まれる発見。目に見えるものだけに捕らわれてはいけないのだ。牛たちの衣装、お乳のフリフリのかわいらしいこと。観て愉しい、聴いて満足、演出や構成の創造力に感心。幕が下りてしばらくは呆然としてました。何なんだこの世界は。あの人の頭の中はどうなってんだ?

3本目:「lemon tree」ぼんやり明かりの灯った舞台には谷と山に折られ頂きを設けたつい立て。そこへ何やら乾燥した大地を放浪する近藤氏の映像が投影され、オルタネイティブ系旋律のBGMが流れる。つい立ての両脇から鮮やかな色のスカートを美しくなびかせて赤いボブの女性がふたり登場。生身の近藤氏も現れ互いに操り操られ踊る。地中海辺り、どこかの街の路地裏でのひと時。そんな雰囲気。身体を動かすことで何かを表現するって、、、うーむ。そしてそれにシンクロして背景の映像作品がかなり良かった。今パンフを見てみると以前トップランナーに出てたアーティストさんの作品。なるほど。そういうことか。こうして良いモノが出来上がるのですね。それから、何処かを彷徨う近藤氏の映像を思い出して「コンドルズ血風録」の近藤氏による寄稿を読み返してみた。無性に旅したくなる。というか、そういう旅に憧れる。いいよなー。

実はこの日のメインイベントはこのダンス鑑賞だったのでした。メインにふさわしくたった2時間でいろんな世界へ誘われました。床に置かれた敷物から生まれるテリトリー、丸い柵の内側と外側の世界、谷山折られたつい立てが作り出す街角。僅かな小道具でいとも簡単に豊かな空間が広がるもんだなと感心。目には見えない点と点をつないで線を作り面を作り空間を妄想し、そこで生身の人間が動き回る。新しい空間体験とシンプルな舞台芸術とコンテンポラリーダンス。上手く表現できませんがかなり刺激的。沖縄にも来てほしいコンドルズ。

ということで、ぼくの人生に味わい深いスパイスが加わりました。
いつかどこかで取り出して、良い具合に使える日が来ますように。


追記
3本目のBGMはThe Middle Eastというオーストラリアの新人バンドの曲でした。これもまた良い出逢い。iTunes Storeでも購入可能、かなりオススメです。現在一枚目のフルアルバムを製作中とのこと。楽しみだ。

[PR]
by chikao_may1st | 2010-02-23 01:52 | weekend


<< TKN-proj 手元に届いたが未だ開けず「高円... >>